2017年12月11日月曜日

【次回例会紹介】対話と協調による平和のハーモニーが、森のホールに響き渡る―松野 迅( ヴァイオリン奏者)

次回例会は、2009年以来二度目となるヴァイオリニスト・松野迅さんの登場です!
今回のほわいえでは、松野迅さんへのインタビューをご紹介します。
聞き手 小巻健(三木労音事務局長)




―前回三木労音例会にご出演いただいたのが2009年10月でした。今回約8年ぶりのご登場となりますが、この間の演奏活動を教えて下さい。

松野迅さん(以下松野さん)過去を振り返るのが苦手なので、整理するために少々時間をください(笑)。
では、3つのことをお知らせしましょう。
まず作曲者との直接対話です。インターネットのおかげで、作曲家と連絡がとりやすくなりました。現在三名の作曲家とメールで対話しています。彼らの作品に触れるだけでなく、意見交換ができるのが魅力的です。楽しいですね。学ぶところが大きいです。
二つめは、隠れた名曲を紹介するチャンスを心がけてきたことです。パウ・カザルス作曲「ソナタ」を筆写譜から起こし初演や録音にきり結んだり、〈名曲のかくれんぼ〉と題し、発掘した作品を定期的にプログラミングするようにしています。
三つ目に、〝ソロ〟作品のレパートリーを、『ひとり弾き』と称し、まとめてひとつのプログラムとして構成しています。ヨーロッパの教会では、しばしばソロ・リサイタルを行ってきたのですが、国内の響きの良い会場でも取り組むようになりました。
今回の三木労音例会は、この三つのポイントをすべて網羅しました。

―今回のプログラムでは、一般のヴァイオリン・コンサートではあまり見かけない作曲者名や作品名がありますね。うわさではユニークな作品もあるようですが、少し教えていただけないでしょうか。

松野さん さきほどの答えと重複しますが、作曲家との対話から演奏のきっかけになった作品があります。私が日常演奏しているヴァイオリンとピアノを駆使し演奏に盛り込む作品、を取り上げます。あとは当日のお楽しみとさせてくださいね(笑)。
(編集注※トップの写真がヒントです)

―松野迅さんといえば舞台衣装も楽しみなのですが、どのようにして選んでおられますか。

松野さん すばらしいご質問です(笑)。
ステージの上では、何も隠しごとはできません。「心の素顔」がさらされます。
衣服は人間特有のものですから、どのように着こなすかは、ヒューマニズムの表現のひとつだと私は考えています。精神と感性が表徴されます。
プログラムを決めた瞬間に衣装がひらめくときもありますが、時には前日まで悩むこともあります。今回はどちらでしょうね。

―今回の第2部ではヴァイオリンとギターのデュオとなっていますが、ギターとの共演の聞きどころ、また演奏者の田嶌道生氏についてご紹介下さい。

松野さん ヴァイオリンとギターは共に弦楽器であるだけではなく、純正調で演奏できるところが魅力です。平均律ではない世界をお届けできます。
 そして、ブラジル音楽からクラシックまで幅広いジャンルで活躍されるギタリスト・田嶌道生さんとのセッションは、いつもワクワクします。今回はシューベルトの名作をしっとりとご一緒します。

―最後に三木労音会員にメッセージをお願いします。

松野さん 私のライフワーク・テーマは〔平和〕です。これには対話と響きあう心持ち、そして各々の寄り添う精神が大切です。
演奏は、まず協調・共同の立場に立つことで成り立ちます。これは、共演者はもとより、作曲者や聴いてくださる方々も含めてのことだと私は考えています。
数多くのコンサートを作り上げてこられた労音の活動理念は、〔平和の礎〕なのです。私も小学生の頃から参加してきました。
日本の労音運動も、20世紀に活躍したチェリスト・指揮者のパウ・カザルスが、バルセロナで提唱したのが始まりです。会員さん各々の意志力が基礎となる分母、舞台・演目という分子、その両者の意思疎通とバランスがとても大切ですね。
労音の会員さんによる真の〔文化力〕に期待しています。



プロフィール

松野 迅(ヴァイオリン)
1960年1月30日、大阪に生まれる。8歳より音楽をはじめ、13歳より演奏活動を開始。これまでアジアとヨーロッパ各地でリサイタル、室内楽、協奏曲などの演奏活動やレコーディングを行ってきた。コンサートホール以外のステージも数多く、学校、病院、各種施設などでの公演は世界各所にその足跡を残している。
作曲・編曲もてがけ、作品を発表している。エッセイストとして新聞や雑誌への執筆を行い、またエッセイ集が未來社、かもがわ出版から刊行されている。
毎年夏には音楽祭「室内楽イン」を白馬で主催し、2018年は33回目を迎える。京都市立芸術大学卒。日本音楽著作権協会会員。

田嶌道生(ギター)
ギター・デュオ・グループ『ドゥーズ・コルデ』のギタリスト。平倉信行と共にクラシック、ブラジルのショーロ、ピアソラなどの演奏で活動している。 ブラジルのミュージシャン、エヴァンドロ、ネルソン・サルジェント、デオ・ヒアン、シェン・リベイロ、エンヒキ・カーゼス、などのツアー及びレコーディング、各メディアなどに出演。ブラジルの伝統音楽“ショーロ”のグループ“ホーザ・ホーシャ”のメンバーとしても活動中。また「沢田知可子」「米良美一」「ピーター」「秋元順子」他、アレンジ、サポートなども多彩に手がけている。ギター教本などの著書や曲集のアレンジも数多く、幅広いジャンルで活躍中。


三木労音第162回例会
松野迅 ヴァイオリンコンサート
2018年1月30日(火)[昼の部]13:30開演 [夜の部]18:30開演
兵庫県立三木山森林公園 音楽ホール
参加費 会員/会費のみ 一般/4,000円
入会希望の方は、チラシ裏の入会申込書に会費2か月分(松野迅例会から参加希望の方は12・1月分)と入会金(1,000円)を添えて、三木労音会員か事務局までお申し込み下さい。
ホームページからのお申込みはこちら→http://www.mikiroon.com/info.html
詳細は三木労音事務局 TEL 0794-82-9775、またはメールinfo@mikiroon.comまでお問い合わせください。

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